2023.08.30

帖の読み方は?畳との違いや帖数の計算方法なども解説

不動産広告を眺めていると、帖という表記を見かけることがあります。広さをあらわしていることはわかりますが、ほかでは見慣れない単位です。一方、違う広告では畳が使われていることもあり、帖と畳の違いがわからずにお困りの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、不動産広告でよく見る帖の意味と、畳との違いについて紹介しています。帖数表記では実際の広さが想像しにくい方のために、帖数を平方メートル(㎡)に変換する計算方法についても触れています。帖にくわしくなり、物件の広さのイメージをつかみましょう。

帖の読み方と意味

帖は、「じょう」と読みます。もともと、屏風や折り本(巻物を一定の幅ごとに折り込んだもの)を数える際の単位として使用されてきました。ちり紙や半紙などのうすい紙を20枚=1帖のように、ひとまとめに数えるときにも使われていました。

現代では、部屋の広さをあらわす際の単位として使用しています。たとえば、洋室4帖、LDK14.4帖などです。

ちなみに不動産広告では、1帖は1.62㎡とするのが一般的です。不動産の不当な取引を防ぐための法律「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」において、畳1枚あたりの広さが1.62㎡以上と決められていることに倣っているからです。

帖と畳の違い

不動産広告を見ていると、部屋の広さをあらわす単位として、畳も見られます。どちらも同じく「じょう」と読み、基本的にどちらも同じサイズですが、その違いは何でしょうか。以下で、帖と畳の違いについてくわしく解説します。

帖が使われる場面

不動産広告で帖が使われているのは、ほとんどが洋室の場合です。畳は和室のイメージが強いため、洋室の板張りのイメージを持ってもらうために使用されています。つまり、和室と洋室を区別するために使われているといえます。

ちなみに帖は、洋室と和室のどちらでも使用できる単位です。和室がない物件も多いため、近年の広告では、一室のすべてを帖で統一しているケースもあります。

畳が使われる場面

畳は、和室の広さをあらわす際に使用されています。畳とは、日本古来の旧計測法である尺貫法(しゃっかんほう)のひとつです。

尺貫法は長さや面積をあらわす単位として、1959年に使用を廃止されるまで、現在のメートル法と一緒に使用されてきました。

和室の場合は、たたみを部屋のなかに何枚敷けるかで、数値が決まります。たたみが6枚敷ける部屋は6畳、4.5枚敷ける部屋は4.5畳です。しかし、帖とは違い畳には多くの種類があり、それぞれにサイズが異なります。

畳のサイズ規格

たたみには京間(きょうま)や中京間(ちゅうきょうま)、江戸間(えどま)、団地間(だんちま)の4つの種類があり、それぞれサイズが違います。面積は、京間、中京間、江戸間、団地間の順に小さくなっていきます。

なぜたたみのサイズが統一していないのか、疑問を覚える方も多いでしょう。その理由は、住宅の建て方により、たたみのサイズに違いが出たからです。

また、サイズのもととなる単位「1間(いっけん)」の長さが、織田信長の時代は約19.7cm、豊臣秀吉は約1.91cmのように、時代とともに変化していったためとされています。

京間

京間とは、1畳のサイズが191cm×95.5cm、面積約1.82㎡のたたみのことです。京都で誕生し、主に西日本で使用されています。

京間ができたのは、古く安土桃山時代の頃と考えられています。たたみ割りという設計手法を採用し、たたみのサイズに合わせて柱の位置を決めていました。現代では住宅の建て方が異なるため、京間を使用した際も柱割りという設計手法を取り入れています。

中京間

中京間とは、主に愛知や岐阜などで使用されているたたみのことです。東北地方や近畿地方でも使われています。

たたみ1畳のサイズは、182cm×91cm、面積約1.66㎡あります。中京間は、長辺の長さが6尺、短辺の長さが3尺あることから、三六間(さぶろくま)ともいわれています。

江戸間

江戸間とは、主に関東で使用されているたたみのことです。1畳のサイズは176cm×88cm、面積約1.54㎡あります。関東間(かんとうま)や田舎間(いなかま)、長辺の長さが5尺8寸あることから五八間(ごはちま)ともいわれています。

江戸間は、柱割りという設計手法から考案されたたたみです。現在でも、柱がないツーバイフォー工法以外の住宅では、柱割りが採用されています。

団地間

団地間は、戦後の人口増加の影響で、集合住宅が増えたことにより誕生したものです。狭い場所でもたたみを敷けるように、コンパクトなサイズに設計されました。

1畳のサイズは170cm×85cm、面積約1.45㎡です。主に、マンションやアパートで使用されています。

一番大きいサイズの京間とくらべると、縦が21cm、横が10.5cmも異なります。そのため、関西で京間を利用していた方が引っ越して団地間に住んだ場合、思ったよりも部屋が狭かったというケースが出てきます。

帖数の計算方法

不動産広告に表記されている帖数を、平方メートル(㎡)で算出する場合の計算方法を紹介します。1帖は1.62平方メートル以上となるため、帖数をかければ出せます。

計算式は、帖数×1.62(㎡)です。たとえば6帖と表記された部屋の計算式は、6(帖)×1.62(㎡)=9.72(㎡)となります。

また現在自身が暮らしている部屋を帖数で出したい場合は、部屋の縦と横の長さをはかり、1,62で割れば算出できます。計算式は、(縦(m)×横(m))÷1.62=帖数です。

たとえば、縦が7m、横が4mの部屋の場合は(7×4)÷1.62=17.2839506です。部屋の広さが約17帖であることがわかりました。

他にもある広さの単位

帖や畳のように、世の中にはさまざまな広さの単位が存在します。ほかにはどのようなものがあるのか、不動産業界でよく使用される単位を中心に紹介します。

不動産業界で、建物や土地の広さをあらわす際によく使用されているのが、坪です。建築面積は建坪で表記されています。

1坪は約3.305785㎡で、1㎡は約0.3025坪です。家族4人で住むなら30坪からが理想の広さとよくいいますが、これは約99㎡になります。1坪は2畳とあらわされることが多いですが、ぴったりたたみ2枚分となるのは中京間のみです。

坪も帖と同じく尺貫法のひとつですが、すでに廃止されており、取引や証明に使用することはできません。そのため、不動産の売買契約書や賃貸契約書では使用されていません。慣例的に使われてきたことから、不動産広告で補足事項として掲載されています。

平方メートル

平方メートルは、1辺の長さが1mの正方形の面積です。単位は㎡で、計算式は1m×1m=1㎡です。1帖は1.65㎡のため、1㎡よりも1帖のほうが大きいことがわかります。

世界共通単位として1875年に認定されたメートルを基本としているため、㎡は世界各国で使用されています。日本では平米(へいべい)ともいわれています。

アール(a)

アールとは、メートルを基準とした単位で、1辺の長さが10mの正方形の面積です。

1アールは、10m×10m=100㎡です。日本人にとってはなじみのない単位ですが、田んぼや芝生などの広い面積をあらわす際に使用されています。

ヘクタール(ha)

ヘクタールとは、1辺の長さが100mの正方形のことです。haという記号を使い、1ヘクタールは100m×100m=10,000㎡です。アールの100倍の面積が1ヘクタールとなります。

単位が大きすぎるため、通常の家屋や土地では使用しません。主に農地の面積をあらわす際に使用しています。ちなみに1ヘクタールは約6,000帖です。

その他

そのほか、不動産業界で使用されている長さの単位で有名なのが、間(けん)や尺(しゃく)です。間とは、主に建材のサイズ表記や設計の際に使用される単位で、1間は約1.82mとなります。ちなみに、坪の1辺は1間として数えるため、1間×1間は1坪となります。

一方、尺とは主に建築業界で使用されている単位で、1尺は約0.303mです。布のサイズをはかる際も尺を使う場合があり、1尺=約0.379mと建築業界の1尺=約0.303mよりも長いのが特徴です。

そのため、建築業界で使用する際は曲尺(かねじゃく)、布のサイズをはかるときは鯨尺(くじらじゃく)として区別する場合があります。

帖数はあくまでも目安

帖数は、あくまでも部屋の広さをイメージしやすくするための目安としてとらえて、深く考えすぎないことが大事です。1帖は1.62㎡以上とされているだけで、明確な決まりはありません。そのため、1帖は不動産業者により、サイズが異なる可能性があります。

部屋の広さを決めるのは帖だけではなく、内見時の体感や家具やものを置いた後のスペースです。実際に部屋を見てどのような印象を覚えるのか、家具とのバランスなどを大事にしてみてください。

部屋の印象は形によって大きく変わる

部屋は、すべてが同じかたちをしているわけではりません。部屋はかたちによって、印象を大きく変えます。たとえば、帖数が多いにも関わらず縦に細長い部屋は、サイドに奥行きがないため、圧迫感を覚えて狭く見えます。

一方で、帖数が少ないのに天井が高い部屋は、帖数から見れば狭いのに天井に奥行きを感じるため、体感では広く感じます。部屋の広さだけでは、住み心地のよさは推しはかれません。

部屋の広さは壁の厚さによっても変わる

部屋の広さは、壁の厚さによっても異なります。床面積を測定する方法が、2種類あるからです。それが壁芯面積(へきしんめんせき)と内法面積(うちのりめんせき)です。

壁芯面積は、壁の中心からはかった数値のことで、建築確認申請で容積率や建ぺい率を算出するときや設計図で使用されています。また、不動産広告で表記されている面積は、ほとんどが壁芯面積で出されています。

一方、内法面積とは、壁の内側(室内側)からはかった数値のことです。マンションの登記簿上の面積は内法面積が使用されており、また実際に住む面積となります。

つまりは、不動産広告で6帖と部屋の広さが表記されていても、想定よりも壁が厚く部屋が狭いケースがあります。広告の表記だけでは広さはわからないため、実際に目で確かめる必要があります。

床材として今人気を集めているリノリウムには、どのような特徴があるのでしょうか。こちらの記事では、床材にリノリウムを用いるメリットやデメリットを紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。

まとめ

帖の意味と平方メートルに変換するための計算方法、畳との違いについて解説しました。帖は洋室、畳は和室として区別するために使用されています。

しかし、畳には京間や中京間などのさまざまなサイズが存在するため、近年は和室であっても帖で表記されているケースも多くなっています。

1帖は1.62㎡以上ですが、正確な数値は設定されていません。また、部屋の広さは帖だけでは測れず、部屋のかたちやインテリアなどによって空間の広さが変わるため、帖だけにこだわらず総合的に考える必要があります。

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