2023.11.27

コンクリート打ちっぱなし物件の魅力とは?デメリットと選び方も

コンクリート打ちっぱなし物件とは、コンクリートの素材感を活かしたデザインを取り入れた物件のことです。

近年、モダンでスタイリッシュな雰囲気がおしゃれと言われ、人気を集めています。

一方で、問題が多く暮らしにくいとも言われており、デメリットを知らずに住み始めると後悔する可能性があります。

特徴を理解し、自分のライフスタイルに合った物件か検討することが大切です。

本記事では、コンクリート打ちっぱなし物件の特徴、メリットやデメリットについて詳しく紹介します。

コンクリート打ちっぱなしの物件とは?

コンクリート打ちっぱなしとは建築物の仕上げの一種です。

一般的な物件では外壁に塗装やタイル、内壁には壁紙や塗装などで仕上げをしますが、コンクリート打ちっぱなし物件は現場打ちコンクリートの上に塗装・タイル・石張りなどの仕上げ工程を省き、型枠を外した直後のむき出しのままの状態のコンクリートをもって仕上げとする手法です。

そのため躯体であるコンクリートが、そのままむき出しになった状態で完成します。

特定の構造でしか用いられない特徴があるため、実現できる構造や種類について詳しく紹介します。

RCやSRCの仕上げ方法

コンクリート打ちっぱなしは、RC(鉄筋コンクリート)造とSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造といった特定の構造で用いられる仕上げ方法です。

支える骨組みとなる躯体を、RC造は鉄筋を組んで型枠にコンクリート流し込んでつくられるのに対し、SRC造は鉄骨のまわりに鉄筋を組みます。

どちらも鉄筋の周りにコンクリートを流し込んで強度を高めたものを柱とし、壁や天井、床にコンクリートが使われていることは同じです。

また外壁には通常、劣化や雨水の侵入を防ぐために撥水剤を湿布し、耐水性を向上させます。

外壁または内壁がコンクリートむき出しの物件

コンクリート打ちっぱなしと呼ばれる物件には、打ちっぱなしの部分が外壁と内壁の両方の物件と、外壁と内壁のいずれかの物件があります。

断熱材をどの部分に施工するかが変わるため、断熱問題に違いが出ます。

さらに、RC造やSRC造の物件でコンクリート打ちっぱなしにできるのは、躯体の壁や柱、梁、天井の一部分です。

マンションの場合、壁のすべてが躯体ではなく、室内側でコンクリート打ちっぱなしにできるのは一部の壁になります。

また、むき出しの状態といっても、その表面は滑らかで美しく、コンクリート構造独特の力強さ・清潔感・素材感・高級感を感じさせる特徴があります。

コンクリート打ちっぱなし物件の魅力

コンクリート打ちっぱなしの建築物と言えば、世界的な建築家の巨匠が手掛けたスリッドから差し込む十字架の光が美しい光の教会でしょう。

そのほかにも6層分の吹き抜け部分をスパイラルロープと呼ばれるらせん状の動線が印象的な表参道ヒルズ、ユニークな展覧会を開催する東京ミッドタウンの21_21 DESIGN SIGHTなど、どれも斬新な建築が特徴的でコンクリート打ちっぱなし物件の人気に火をつけたと言われています。

コンクリート打ちっぱなし物件には、コンクリートが主要構造である物件ならではのメリットがあります。

それでは、具体的なメリットを見ていきましょう。

見た目がスタイリッシュでデザイン性が高い

なんといっても、コンクリート打ちっぱなし物件の魅力はデザイン性の高さにあります。

コンクリートは形状の自由度が高いため、曲面が取り入れられていたり、木目調のものがあったり、異素材を組み合わせたりと、おしゃれな空間を実現することが可能です。

スタイリッシュで洗練されたデザインは、他の物件とはひと味違った自分だけのお気に入りの空間がつくれるでしょう。

またコンクリートの壁は、グレーやライトグレーなどの無彩色で無駄な装飾や柄がないため、どんな家具や素材とも相性がよく、コーディネートしやすいという特徴があります。

おしゃれな空間を楽しみたい人には、魅力的なメリットと言えるでしょう。

空間が広く開放感がある物件が多い

コンクリート打ちっぱなし物件の場合、内壁や天井に石膏ボードなどを使用しないため、その分空間が広くなります。

さらに、RC造やSRC造の物件は壁自体の強度が高いため、木造と比べて柱と柱の間の間隔を広くとれるため、開放感のある物件が多い傾向にあります。

そのため専有面積が広くなかったとしても、仕切り壁や柱が少なく部屋全体が1つの空間のようにデザインされていれば、間取りに自由度が増し圧迫感の少ない生活を送ることが可能です。

防音性に優れている

コンクリートには、密度が高く、音を通しにくいという特性があります。

そのため、室内の音が漏れにくく、また外からの騒音や隣の生活音が聞こえにくいです。

また、遮音性に優れているため、シアタールームなどをつくりたい人にも適しています。

しかし、上の階に住む人の足音や物を落とした音は、空気が振動して伝わる空気音とは異なります。

壁や床が振動して伝わる音のため、コンクリートの特性上、聞こえる可能性が高いでしょう。

耐火性が高く安心できる

不燃材料でできているコンクリートは耐火性に優れているため、ほかの構造の建物に比べ耐火性が高いのも特徴です。

万が一、周辺で火事が起きたとしても被害を抑えることができます。

また、耐火性の高さから木造よりも火災保険料や地震保険料が安くなるメリットもあります。

安全性や耐久性を重視するならば、魅力的なポイントと言えるでしょう。

コンクリート打ちっぱなしのデメリット

デザイン性の高さが人気のコンクリート打ちっぱなし物件ですが、住みにくいと言われるデメリットもあります。

あらかじめメリット・デメリットを把握しておけば、入居してから後悔することを防げます。

では続いて、どんな点が住みにくさにつながっているのか、デメリットを見ていきましょう。

外気の影響を受けやすい造り

コンクリートは熱伝導率が高く、保温性も高いという特性ゆえに、夏は熱がこもり暑くなりやすく、冬は冷気が溜まり寒くなりやすいという特性があります。

そのため冷暖房が効きにくく、光熱費がかさむデメリットがあります。

とくに、外壁と内壁の両方が打ちっぱなしになっている物件は外壁と内壁の間に断熱材が入っていない場合があるため、外気の影響を受けやすい状態です。

また、最上階の天井がコンクリート打ちっぱなしになっている場合も同様で、快適な室温を保つためには季節に合わせた工夫が必要です。

結露やカビが発生しやすくなる

コンクリートは表面に何も処理をしていないと、吸水性が高く、湿気を内部にため込みやすい特徴があります。

とくに冬場は、外の気温と暖房利用で温まった室温の温度差で結露が発生しやすくなるため、カビができやすい状態となり、健康被害をもたらす可能性が高くなります。

また、汚れが目立ちやすいことから退去時の原状復帰の費用がかさむ可能性もあるため、こまめな手入れが必要です。

とくに、コンクリートは中の水分が抜け切るまでに数年単位の時間がかかると言われているため、比較的新しい物件は室内に湿気がこもりやすい傾向にあります。

湿気の多い梅雨時期から夏や暖房器具を使い温度差が大きくなる冬場は、除湿器や除湿剤を置くなどの対策が必要不可欠でしょう。

仕上がりは施工業者によって左右される

コンクリート打ちっぱなしは、現場で施工する施工業者の腕によって、仕上がりが大きく左右されます。

一般的な建物は外壁に塗装やタイル、内壁には壁紙や塗装などで仕上げを行うため、コンクリートの表面の美しさはさほど求められません。

しかし、コンクリート打ちっぱなし物件はコンクリートの地肌をそのまま見せるため、職人によって差がでてしまいます。

また、季節に応じて施工方法を調整することや、コンクリートの流し込み・締め固めなどの各工程で緻密な作業や技術が要求されます。

コンクリート打ちっぱなし物件を希望する際は実績があり、技術やノウハウに信頼のおける施工業者を探して依頼することが大切です。

コンクリート打ちっぱなし物件を選ぶポイント

四季のある日本は温度の変化が大きいため、一年を通した住みやすさが気になるでしょう。

物件の特徴を理解し、内見時に確認ポイントを押さえていれば、コンクリート打ちっぱなし物件であっても理想的な物件と出会うことができます。

では最後に、コンクリート打ちっぱなし物件を選ぶポイントを見ていきましょう。

断熱材の有無と施工方法を確認

デメリットである外気の影響を受けやすい、結露やカビが発生しやすいといったトラブルは、断熱材や施工方法によって軽減させられます。

コンクリート打ちっぱなし物件は、特殊な工法ゆえに採用できる断熱方法がある程度限られており、外壁と内壁の両方が打ちっぱなしの物件は断熱材そのものが使われていない可能性があります。

外壁が打ちっぱなしであれば内断熱、内壁が打ちっぱなしであれば外断熱が用いられているかなど、見た目だけでなく暮らしやすさのために断熱材の使用有無を確認しましょう。

最上階や角部屋を避ける

一般的に窓が多く隣接する部屋が限られる角部屋や、上の階に住む人の生活音を気にしないで済む最上階は人気が高いですが、外壁がコンクリート打ちっぱなしの場合は、外気の影響を受けやすいため避けた方がよいでしょう。

気に入った物件が外壁のコンクリート打ちっぱなし物件だった場合や、外断熱の建物でない場合は、両隣にほかの部屋がある部屋や、上の階にも部屋がある部屋を選ぶことをおすすめします。

部屋の位置に気をつけることで、断熱材の有無や施工方法による変化が生じにくくなるでしょう。

この記事では、コンクリート打ちっぱなし物件の魅力を解説しました。次は屋外スペースに焦点を当て、ルーフバルコニーのメリット・デメリットについて解説します。合わせてご覧ください。

まとめ

コンクリート打ちっぱなし物件はおしゃれなデザイン物件が多い反面、生活していく上でデメリットとなる特性も持ち合わせています。

快適に過ごすためには入居前に、断熱施工がされているかなど、なるべく実際に現地へ行って内見することが大切です。

また、たくさんの知識を持った人に相談することで、理想の暮らしを手に入れるヒントも得られます。

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